リライト田中の活動ブログ

ニュースで話題になっている田舎の土地に所有者不明の土地が多い理由

2017/11/22
テーマ:ブログ
 みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。

 今回は、田舎の土地に所有者不明の土地が多い理由について。
 本日は、昨日に引き続き、静岡県掛川市の土地の現地調査2件。
まず1件目の現地は、こちら。
掛川市茶畑 リライト横浜
 さすが深煎り茶で有名な掛川だけあります。
物件も茶畑の隣接地でした。
 ただ…完全に雑木林+傾斜地でした…。
簡単に売れる物件ではないと想定できたため、予め隣接地の所有者を謄本を取得して調べてきました。
…が、ほとんどの方が、登記簿のご住所地にいませんでした。
と、いうより謄本を見る限り、登記名義人の方がその土地を取得されたのが明治時代や昭和初期のため、おそらくは登記名義人の方はすでにお亡くなりになってしまっている、と推測される。
 すると、誰が所有者かわからない。
 つまりは、まわりが所有者不明の土地になっているということ。
意外とこういったケースってたくさんあります。

 理由は簡単で、所有者が亡くなると相続が発生し、相続人間で遺産分割協議を行い、誰がその不動産を取得するかを決めます。
 ここまではいいのですが、その不動産を取得した方が相続登記をされず、そのまま放置してしまう。
 なぜ相続登記をされず、放置してしまうかというと、相続登記をするにも登録免許税がかかったり、書類を揃えたりで面倒臭い、わざわざ売れない不動産のために費用をかけたくないということが大半で、他には、相続登記をしなければ、固定資産税は自分のところにこないのではないか、と考えている方も多いためです。
 市街地においては、多少費用がかかったとしても、売却代金で相殺できるため、みなさん積極的に相続登記をされているのですが、田舎の土地の場合…そもそも売却が困難なため、相続登記をされない方が多いということは不動産会社にとってもつらいところ。
 では、相続登記がされていないときに相続人、つまり所有者を探す方法がないかというと、そういうわけでもありません。
 例えば、測量をするときにはお隣の所有者の立会いが必要なため、土地家屋調査士の先生であえば、職権で所有者不明の土地の所有者を戸籍等を取得し、調べることができます。
 他にも弁護士の先生は、隣接地の方に訴訟をするための調査であれば、土地家屋調査士の先生と同様に所有者不明の土地の所有者を戸籍等を取得し、調べることができます。
 いずれにしても、具体的に何かのアクション、業務の依頼をしなければ、各士業の方も所有者を探すことができません。
 これってニュースでも最近取り上げられていることで、少子高齢化が進む日本においては、今後さらに深刻な問題となっていくことは間違いありません。
 残念ながら日本の制度が社会に追い付いていけていないと言わざるを得ませんね。
 
そして、1件目の現地調査を終え、次の現場に向かう途中にちょっと道の駅「掛川」で買い物。
深煎り掛川茶 リライト横浜
お茶で有名な掛川のため、深煎り掛川茶と遠州みそまんを購入。

 続いての現場がこちら。
掛川市上西郷土地 リライト
こちらも…強烈な物件。
 建築基準法上の道路に接道していないため、建物の建築ができない上に、雑木林というか、竹林というか…。
どこからどこまでが物件か判別しづらい…。
 もう、言葉がでてきません。
こういった物件は、処分するにもお金がかかってしまいます。

 でも、きっと何とかしてみせます!

 各物件の現場調査を終えると余った時間で少しだけ社会見学。
まずは、こちら。
掛川城 リライト横浜
掛川城!!!
 掛川城は、1497年から1501年の間に駿河の守護大名 今川氏が遠江支配の拠点として重臣 朝比奈泰凞に築かせたそうです。
 そして、貴族的な外観をもつ天守閣の美しさは「東海の名城」と謳われていました。
 ただ、1854年安政の東海大地震により天守閣など大半が損壊し、御殿、太鼓櫓、蕗の門などの一部を除き、再建されることなく、明治維新を迎え、1869年に廃城となってしまいました。
 その後、掛川市民の熱意と努力が実を結び、天守閣は平成6年に140年ぶりに木造で再建され、今の姿となったそうです。
 それにしても、昔の人はよくもこういった高台というか、崖の上にこれだけ強固な建築物を建てることができたな、と驚かされます。

 高いところをみると登りたくなってしまう私、もちろん天守閣内部も見学してました。
掛川城天守閣 リライト横浜
 こちらがその天守閣からの素晴らしい眺望。
過去の城主は、この景色を見て何を思ったのでしょう。
 
天守閣のすぐ近くにある掛川城御殿も見学してみました。
掛川城御殿 リライト横浜 
 時代劇で見るような風景は、とても趣がありました。
こちらの御殿は、7棟よりなる書院造で、部屋はそれぞれの用途に応じ、約20部屋に分かれているそうです。
歴史を感じます。

 今回の静岡県掛川市への出張は、仕事&グルメ&絶景&社会勉強、全てにおいて充実したものとなりました。
自然と歴史と文化がほどよく調和した街 掛川、最高でした~!