戸建知らずに相続してしまった田舎の廃墟を何とか手放したい!(千葉県山武市)
ご相談者: | F.I 様(弁護士の先生からのご紹介) 横浜市旭区 |
数年前に主人が亡くなりました。
そして、昨年、市役所の方より「あなたが相続された不動産の樹木が生い茂って近隣よりクレームがきているので対処してほしい」と連絡があり、驚きました。
横浜に住んでいる私が、亡き夫が千葉県山武市で不動産を持っていたなんて全く知らされていませんでした。
そのため、私は当初(夫が亡くなったとき)、その不動産を相続したということすら知る由もなかったのです。
後日、現地に行ってみるとそこには廃墟と化した戸建がありました。
知らないで相続した不動産で鍵すらありません。
それでも「何とか手放したい」と思い、弁護士の先生による無料相談に伺いました。
そこでそのときの弁護士の先生よりリライトさんをご紹介いただいたのです。
リライトさんならきっと何とかてくれるとお聞きしております。
難しい不動産ですが、処分のお手伝いをしていただけないでしょうか?
状況
・駅からバス便のエリア
・建物が見えないくらい樹木が生い茂っている
※樹木のツタが窓を割り、建物内部にも進入
・周辺には多数の空地や空家がある
・鍵がない
・周辺地域にも水道管の埋設が井戸水を利用
・建物は老朽化が激しく、現状での使用は不可(10年以上空家)
※外壁の剥がれ、腐食・雨漏り等有り
・境界標が一部不明
解決策
1. お客様との打ち合わせ
お客様より「弁護士の先生よりご紹介いただきました。手放したい不動産があるのでリライトさんに伺ってお話がしたい。」旨のご連絡をいただきました。
後日、お客様に手放したい不動産の資料をご持参のうえ、当社にご来店いただき、面談を実施。
お客様は当初、今回の不動産を相続されていることに気づかず、市役所の方経由での近隣住民からのクレームで、お客様がその廃墟と化した不動産を相続してしまったことを把握されたそうです。
そこでお客様は、何とか今からでも相続放棄ができないかと弁護士の先生にご相談に行かれた結果、今更相続放棄もできず、手離す方法を模索された際に弁護士の先生より当社をご紹介いただいた、とのことでした。
今回は、ご紹介元がいつもお世話になっている弁護士の先生だったため、その場でお仕事をお引受けさせていただきました。
お客様のご意向は、「建物が老朽化したこの不動産を今後、維持管理をしていくことが困難なため、タダでもいいから手放したい」というものでした。
2. 市役所などでの物件調査
お客様の面談後、すぐに調査を開始。
まずは、市役所・土木事務所などから始めました。
法令上の制限からは特に大きな問題となることを見当たりませんでしたが、売却に際しネックとなったことは、周辺地域が水道管が埋設されておらず、「井戸」を利用しているということでした。
※「井戸」は水質を心配される方も多く、需要が減ってしまいます。
3. 鍵の開錠と現地調査
法令上の制限の調査を終えると現場調査。
現地に到着すると…樹木が生い茂っており、道路から見ても建物が見えないくらいの状態でした。
今回は売主様が鍵をお持ちでなかったため、前もって鍵屋に依頼し、現地調査時に鍵の開錠作業。
恐る恐る10年以上空家だった建物に足を踏み入れると…ところどころ、床が腐食しており、今にも床が抜けてしまいそうな状況でした。
和室の畳にもカビが生えており、2階の窓ガラスは一部が割れてそこから樹木のツタが建物内部に侵入していました。
境界標は一部が見つかりませんでした。
4. 現地調査からのお客様のご案内
前述の通り、廃墟と化してしまった売却の難易度が高い不動産。
ですが、当社にはこういった「難あり不動産を購入したい、購入できるお客様」に多数ご登録いただいているため、そのうちの数組のお客様に私が現地に行く際に建物の内見ができる旨、お知らせをしていました。
そのため、現地調査が終わる頃にはお客様がご見学のため、現地までお越しになられていました。
5. 近隣住民の方へのご挨拶
現地でのお客様のご案内を終えると近隣住民の方を訪問し、ご挨拶しました。
その際にご近所の方にお伝えしたことは、「今まで管理が行き届かず、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。売主様ともども深くお詫び申し上げます。」と。
また、「私が管理会社となり、今後売却活動を進めていきます」ともお伝えし、最後に「不動産を探しているお知り合いの方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください」と付け加えました。
6. 購入申込書の取得と売買契約の締結
後日、現地をご見学いただいたお客様より購入の意思があり、購入申込書をいただきました。
そして、売主様と協議をし、最終的にその購入希望者の方に現況の廃墟と化した状態のまま、今回の不動産をお求めいただくことができました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは、「知らない怖さ」でした。
今回のお客様は、ご主人様が他界されてしまった数年後にどうしようもない不動産を相続されてしまったことを知りました。
もし、この廃墟と化した不動産を相続しなければならないと相続直後にお客様が知っていたら、きっと相続放棄という選択肢もあったかと思います。
でも、知らなかった…。
そのため、この不動産を相続せざるを得ない状況になってしまったのです。
それでも、この不動産を子どもに相続させることはできません。
そこで当社にお問い合わせをいただき、当社のほうで売却することができました。
今後、こういったことが起きないために大切なこと、それは「自分の資産(不動産含む)がどこにどれだけあるのか」を遺された方(相続人)にわかるように伝えるまたはわかるようにしておくことです。
遺された方々が困らないようにすることこそが、本当の「相続対策」です。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!