ご相談事例

土地崖地(急傾斜地)の売却をしたい!(横浜市鶴見区)

ご相談者:相続コンサルタント
横浜市神奈川区

 当社のお客様に相続で横浜市鶴見区の土地を取得された方がいます。
 お客様が取得された土地は、土地の形状が三角形であるうえに崖地(急傾斜地)です。

 条件的に難しい土地ですが、何とか売却のお手伝いをしていただけないでしょうか?

状況

崖地(急傾斜地)の売却をしたい!(横浜市鶴見区) 状況
【所在】横浜市鶴見区下末吉5丁目
・駅からバス便エリアの住宅地
・古家が隣地に越境している
・急傾斜崩壊危険区域内
・境界標が不明
・土地の形状が三角形
・増築未登記部分がある

解決策

1. 相談者との打ち合わせ

 相談者の方より土地の売却のご相談をいただき、すぐに現地を確認しました。
 現地は、急傾斜地崩壊危険区域ということもあり、土地の一部を無償で神奈川県に貸しており、その部分にはがけ崩れ防止用の構造物が設置されていました。
 隣地との土地の境界標も見当たらず、土地は道路から高くなっており、崖地ということもあり、北側の眺望は良好でした。
 道路に接している部分の幅は広いのですが、地型が三角形のため、奥の方は建物が建てられないくらいの幅しかありませんでした。

 また、売却物件建物が南側隣地に越境していることも判明しました。

2. 役所調査で判明したこと

 現地調査の後は市役所などで調査を実施。
 大きな問題となることはありませんでしたが、急傾斜地崩壊危険区域ということによる建築規制が最も頭を悩まされたことでした。
 また、調査をした結果、売却物件建物に増築未登記部分があることも判明しました。

3. 査定額の提示

 現場・役所調査を終えたところで査定額をお調べし、相談者にお伝えしました。
 その時に物件の特性上、いつの時点で売却できるかわからない旨をお伝えするとともに、当社で購入させていただく場合の買取金額もお伝えしました。

4. 売買契約の締結

 後日、相談者の方よりいついくらで売却できるかわからないエンドユーザー向けの販売ではなく、当社で買い取ってほしい旨の要望をいただいたため、契約に向けて準備を開始しました。
 意外と知られていませんが、崖地、特に急傾斜地崩壊危険区域の場合、大部分の会社が取扱い(買取りできない)ができないのです。

 契約書の案文を予め売主様にご確認いただいた後、正式に当社が買主となる売買契約の締結をさせていただきました。
 このとき、建物の未登記部分については、売買対象としましたが、売主様にて表示変更登記はしていただかなくてもいいですよという内容でご契約させていただきました。
※売主様のほうで表示変更登記をしていただくと壊してしまう建物にかえって無駄な出費がでてしまいます。

5. 境界標の設置と隣地所有者との協議

 売買契約締結後は、具体的に測量を開始しました。
その理由は、現地に一部境界標がなかったためです。
 いつもお願いしている優秀な土地家屋調査士の先生に依頼をし、売主様のご協力のもと、測量作業に入りました。
 その際、現地においてお隣さんと契約物件建物が越境していることについて協議をしました。
 そして、全ての境界標の設置、測量図の作製ができたのです。

6. 引渡しと建物の解体

 引渡し条件が成就したところで売主様に対し、残代金をお支払いし、所有権を取得しました。
 引渡し手続き自体もみなさんの段取りがよく、あっという間に終了。
 
 当社に所有権が移転した後、解体業者と打ち合わせをし、近隣住民の方に解体工事のご説明・ご挨拶をしました。
 そして、後日、解体工事に着手し、工事が終わってから、建物の滅失登記手続きを完了。

7. 再販に向けての準備

 建物の解体工事期間中、どうしたら、この崖地の土地を売却できるのか、何がおすすめポイントでウィークポイントはどういったことかを突き詰めていき、工務店さんのご協力のもの、各種法令・条例に適合する建物の参考プランを作成しました。
 そして、売却活動時にお問い合わせいただいたお客様に資料として建物の参考プラン(見積り含む)をご提供できるように準備をしたのです。

8. クローズな情報公開での売却

 建物の解体を終えるまで売却活動については情報を幅広く公開するのではなく、一部に限定していました。
 その理由は、現地がきれいに更地になった段階で幅広く公開をしようと考えていたからです。
 とは言っても、今回の物件、土地の形が三角形で、かつ、急傾斜地崩壊危険区域でしたが、あまり出していない情報の中で近隣にお住まいのお客様よりお問い合わせをいただくことができました。
 そして、諸条件の調整も終わり、後日、無事に当社が売主となる崖地の売却契約を終えることができました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「イメージさせること」でした。

 崖地や古家付きの土地を売却する際、どうしたら売却できるのか。
それは、建物を建てたいとお考えのお客様に「この場所でこんなに素晴らしい建物を建築するためには◯◯万円あればできますよ」とイメージしていただくことでその崖地や古家付き土地を売却することができます。
 つまり、建物を建てたイメージを持っていただくこと、そしてそこに住んだイメージを持っていただくこと、これが非常に大切です。

 なお、ハウスメーカー、工務店ともにそれぞれ得意分野があります。
崖地に建物を新築するのが得意な会社もあれば、3階建が得意な会社もあります。
 そのため、難あり物件(土地)を売却するためには、どの会社が自分の持っている土地にしっかりとした建物を建築できるのか、もし、建築した場合にどういったプランでいくらくらいかかるのかを検証しておく必要があります。
 売主様サイドがそういったものをご用意してあげれば、土地の購入を検討されているお客様も検討しやすくなります。
 つまり、売主様にとっては売りやすく、買主様にとっては買いやすくなるのです。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!