戸建真鶴にある空家を処分したいのですが手伝ってもらえないか?(神奈川県足柄下郡真鶴町)
ご相談者: | 銀行系不動産会社 様 神奈川県横浜市南区 |
当社(銀行系不動産会社 様)のお客様で真鶴に空家を
ご所有されている方がいらっしゃいます。
昔は別荘として使っていたそうですが、今は草刈り等維持が
大変で売却したいとのことです。
御社で売却を手伝っていただけないか。
状況
・建物が築40年のため、老朽化している
※屋根裏に動物が侵入した形跡有り
(汚れや臭気が有り)
・道路より約5m高くなっている
・駅から距離があり、駐車場のない物件
・生活できるくらいの残置物がある
・現存しない建物が課税されている(固定資産税)
解決策
1. 現地確認と物件調査
ご紹介者様とご一緒に現地調査。
その場で売主様との面談を実施。
物件の建物は確かに痛みはありましたが、
バルコニーからは海が遠望できる。
現場調査の後にそのまま法令上の制限を
調査しました。
その際に前面道路は建築基準法上の道路ですが、
諸事情により「既存不適格物件」ということが判明。
今のままでは増築・改築はもちろん、建物の
建替えもできません。
増改築や建物の建替えを行う際には、擁壁の改修・
やり直し工事が必要とのことでした。
2. 残置物の撤去・販売開始
物件調査を終え、販売準備に。
別荘地の特色として、土地だけの場合は
流通性がかなり少なくなるため、一戸建として
販売を開始しました。
その際にご見学いただくお客様の印象を良く
するためにも室内にあった大量の残置物を撤去しました。
3. 現存しない建物の滅失と売買契約(一括決済)
継続してお客様(他社さん含む)にご紹介を
していた結果、当社にお問い合わせいただいた
お客様にて具体的なお話をいただくことができました。
そして、再度、行政と打ち合わせ。
それは、現存しない建物が数十年に渡り、
固定資産税が課税されていることが発覚したため。
税務収納課の担当の方と打ち合わせをし、
今後の対応を検討。
担当者に現地確認をしていただき、後日売主様名にて
滅失証明願の提出をすることで協議が終了しました。
売主様、買主様双方ともに事前にご契約書・
重要事項説明書をご説明させていただき、本日を
迎えました。
ご契約内容は、境界非明示・瑕疵担保責任は免責として
ご契約いただきました。
また、今回のご契約は、ご契約日に売買代金全額の授受をし、
所有権移転、鍵の授受も行いました。
これを一括決済といいます。
※通常は、ご契約時に手付金の授受を行い、
何か月後かに残代金の授受・所有権移転・
鍵の授受を行うという場合が多いです
ご契約・お引渡しも滞りなく終えることが
できました。
4. 所有権移転の申請
今回は、買主様のご希望により所有権移転登記を
所轄の法務局の窓口申請に。
所有権移転登記が問題なく受理されていることを
ご自身の目で確認したいという買主様のご意向からでした。
買主様、司法書士の先生、私の三人でご契約場所から
電車で所轄(二ノ宮)の法務局に移動。
司法書士の先生が買主様の目の前で所有権移転登記の
申請。
法務局の窓口の方より受理証を買主様が受けとり、
無事に全てが完了しました。
担当者からの一言
今回の案件も最近話題になっている「空家問題」でした。
自宅から距離があるところの不動産の管理は思っている以上に
大変です。
ご売却開始、お申込み、ご契約等途中、いくつもの
課題がありましたが、関係者の皆さんで協力し、全ての
課題を乗り越えることができました。
買主様もとても喜ばれており、売主様もご満足された
様子でした。
ただ、1つ気になったこと、それは「現存しない建物が
何十年にもわたり課税され続けていたこと」です。
行政の考えでは、「固定資産税は納税通知書を送付し、
それにもとづき納税しているということは納税者が
理解して納税している」という考えのようです。
ただ、一般の方が固定資産税の納税通知書を見ても
よくわからないのが現状…。
固定資産税の課税登録は行政にて行いますが、
建物を減築や解体した場合は、所有者がその旨
申請をしないと登録の抹消がされません。
そのため、現存しなくても課税されたままの
状態になってしまうことが多々あるそうです。
特に未登記建物は要注意です。
皆さんも、ご所有不動産の中で現存していない
建物が課税されているかどうか、しっかりチェックされる
ことをお勧めします。
今回の売買については、当然「滅失証明願」を
提出したため、来年より現存しない建物の課税は
されなくなります。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!