土地40年以上前に買って放置したままの山林を手放したい!(長野県長野市)
ご相談者: | H.Y 様(税理士の先生からのご紹介) 横浜市港北区 |
40年以上前に長野県の山林を購入しました。
購入当初は投資目的だったのですが、何もせずに固定資産税だけを支払い、今まできてしまいました。
ただ、私も歳をとり、この使っていない山林を子どもに残せないと考え始めました。
場所が場所のため、この山林の処分を手伝ってくれる不動産会社がいません。
リライトさんの方でこの使っていない山林の処分を請け負っていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
状況
・土地890m2
・駅のない山奥の山林
・境界標が不明
・周辺は使われていない別荘がちらほらあるのみ
解決策
1. お客様との打ち合わせ
今回の案件は、当社 顧問税理士の先生からのご紹介の案件でした。
お客様をご紹介いただき、すぐにお客様にご連絡をし、ご自宅に伺いました。
その時にお聞きしたのは、お客様は当初投資目的(土地の値上がりを期待し)でご購入され、バブル時には売却機会を逃してしまい、今になって「子どもに残せないため、早く手放したい」ということでした。
お客様の方で手放すにあたり協力してくれる地元の不動産会社をお探しされたそうですが、山奥の売るに売れない土地ということもあり、協力してくれる不動産会社はいなかったそうです。
お客様との面談時には周辺の取引事例をご一緒に調べてみましたが、周辺ではほとんど不動産の取引きがされていないようでした。
ただ、競合物件自体は周辺に売れずにたくさんありました。
面談の最後にお客様のお持ちの売却物件の資料をお預かりし、調査のための委任状等をいただきました。
2. 役所での物件調査の実施
お客様との面談を終え、現地調査の準備を始めました。
まずは横浜でできるインターネットでの調査をし、現地調査のためのスケジューリング。
後日、明け方に横浜の自宅を出発し、長野市役所に。
いつも通り、開庁と同時に調査を開始しました。
市役所などでは、建築基準法、都市計画法、景観法、森林法、自然公園法などの法令上の制限について調査。
その結果、売却物件は都市計画区域外にあり、県立自然公園条例や自然環境保全条例、森林法、景観法の規制を受ける山林ということが判明しました。
ただ市役所などの調査において売却に際しての障害となるような大きな懸念事項はありませんでした。
3. 山奥での現地調査
法令上の制限などを調査した後は、現地に向かいました。
長野市の市街地から車で約1時間、山奥の未舗装の道を進んでいくとやっと現地に到着。
そこは、何十年も手入れがされていないため、雑木林と化していました。
周辺には使われていない廃墟とした家がポツリポツリとあるだけ。
売却物件の写真を撮影し、周囲・前面道路の幅員を計測しました。
隣地との境目にある境界標についてもお探ししましたが、見当たりませんでした。
4. 売却活動の開始
物件調査を終え、横浜の会社に戻りました。
そして、調査結果を売主様にご報告。
その時の売主様のお考えは当初の通り、「売却代金が目的ではなく、とにかく手放せればいいんです」というものでした。
そのため、そのことも踏まえ、売却金額を設定、売却活動を開始しました。
まずは不動産会社専用サイト、アットホームなどエンドユーザー向け不動産検索サイトへの登録を行い、情報を拡散するためにSNSを駆使しました。
この時に考慮したことは、場所柄売却物件に新規に建物を建築するということは想定しづらいため、土地をそのまま活かすという考え方がないか模索しました。
トレーラーハウス置場とするには道路が狭く不向き…などを考え、最終的に「キャンプ向きの土地」として企画、発信したのです。
販売価格を抑えめに設定したものの、山奥の雑木林で樹木の伐採、抜根に多額の資金がかかることからもお客様からのお問い合わせは伸び悩んでいました…。
5. やっといただけた不動産購入申込書
お客様からのお問い合わせがなかなか増えず、徐々に販売価格を変更(下げて)していきました。
そして、売却活動の開始から約1年、ようやくアツいお問い合わせをいただくことができたのです。
そのお客様は、神戸市にお住まいのお客様でご家族でキャンプをされることが趣味の方でした。
お客様よりお問い合わせをいただき、即売却物件の一見書類をご送付しました。
するとご自宅から売却物件が遠方にあるにもかからず、すぐに現地をご見学くださり、購入申込書をいただけたのです。
これにはさすがに売主様もびっくり。
売主様からは「ぜひ、今回の購入希望者の方と契約に向けて進めていただきたい。先方さんにはくれぐれもよろしくお伝えいただきたい」旨のお話をいただけました。
6. 売買契約の締結とお引渡し
買主様が決定したところで、契約書類の作成に取り掛かりました。
そして、売主様、買主様ともに事前に売買契約書をご確認いただいたところで契約日時の調整をしました。
ところが買主様はお仕事柄出張が多く、どうしても売主様との予定が合わず、最終的に持ち回りの契約とさせていただきました。
そのため、後日、まずは売主様を訪問し、売買契約書等にご署名・押印いただき、後日、買主様にご来店いただき、同じく売買契約書等にご署名・押印いただき、無事に売買契約・お引渡し業務を終えることができました。
※持ち回り契約:一般的に売買契約は売主様と買主様が同席し行うものに対し、持ち回り契約は売主様と買主様が対面せずに、売主様に先に売買契約書などにご署名いただき、続いて買主様にご署名いただくという方式の売買契約のことです。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは「売却時のキャッチコピー」でした。
一般的に不動産を売却する時にはインターネットに掲載し、買主様を募ることがほとんどで今回も例外ではありませんでした。
この時に成約できるかどうかは、実は物件の「キャッチコピー」に大きく影響されているのです。
今回の売却物件については、「緑に囲まれた中でご家族でキャンプを楽しみませんか」というものでした。
きっとこれが「長野市の890m2の土地 〇〇万円」だけでは不動産検索サイトを見ている方々の心に刺さることはなかったと思います。
どんな言葉が不動産検索サイトを見ている方に刺さるのか、ということの答えはありませんが、どんなにマニアックでもそのキャッチコピーが買うべき一人の心に刺さればいいのです。
現在、不動産を売却中の方はその売却不動産のキャッチコピーが心に刺さるものですか?
今一度見直していただくと良いかもしれませんね。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!