戸建路地奥にある建替えができない戸建を売却したい!(埼玉県川口市)
ご相談者: | S.M 様(ユーザー様からのご紹介のお客様) 埼玉県川口市 |
私たちが以前住んでいた家が埼玉県川口市にあります。
引越してからは賃貸として貸していた時期もありましたが、ここのところ長い期間空家となっております。
このままにしておいても建物がどんどん老朽化していく一方なので今のうちに処分しておきたいと思います。
たまたまお隣のYさん(当社のユーザー様)にお声がけしたところ、リライトさんにとってもよく、親身にご対応してもらえたとお聞きし、ご相談させていただきました。
状況
・駅からバス便エリアに立地
・路地の奥にあり、車の侵入不可
・建築基準法で定める接道義務を満たしていないため、
建替え不可
・北側が崖地となっており、心なしか建物が崖地側に傾いている
・建物は、築55年を経過し、老朽化している
・以前は賃貸として利用していたが、長期間空家となっている
・全ての境界標が不明
解決策
1. お客様との打ち合わせ
お客様より「私が所有している川口市の戸建のお隣のYさん(当社ユーザー様)よりリライトさんの噂を聞きお電話しました。Yさんの隣の戸建を持っているのですが、Yさんの家同様車も入らず、建替えもできません。売却を検討しているのですがお手伝いしていただけますか」という内容をご連絡をいただき、後日現地でお会いすることになりました。
2. お客様と一緒に現地確認
売却物件の現地でお客様とのお打ち合わせを実施。
お隣との境界の認識と室内の状況を確認し、売却に向けての間取り図のトレース、写真撮影を行いました。
この時、南側隣地の倉庫が売却物件に越境していること、ほぼ全ての境界標が見当たらないこと、建物が老朽化しておりところどころで不具合があることが判明しました。
※室内では心なしか建物が裏側の崖地側に傾いているように思えました
そして、お客様に予め準備していた周辺の売出物件や成約事例、売却の目安金額についてご説明させていただいたのです。
3. 市役所などでの物件調査
お客様との現地調査を終えると私一人で市役所などでの物件調査を実施。
やはり目の前の路地は、建築基準法上の道路ではなく、売却物件は建築基準法で定める接道要件を満たしていないため、建替えができない物件(再建築不可物件)ということが確定しました。
建替えできるようにするための方法もありましたが、関係者が多いうえにそうするまでに多額の時間とコストが必要でした。
それに加え、仮に建替えができるようになったとしても路地の幅が狭く、車の侵入ができないため、価値の上昇分を考慮してもあまりメリットがありませんでした。
その他、ひと通り確認し、物件調査を終えました。
4. 販売準備と売却活動の開始
調査を終えた後は、売主様と売却開始金額について協議しました。
当初は、ご提示させていただいた査定金額に若干上乗せしたチャレンジ価格(430万円)にて売却活動を開始しました。
すると500万円以下の売却物件ということもあり多数のお問い合わせをいただくことができました。
ところが、そのほとんどが室内のリフォームに多額の費用がかかること、(再建築不可物件のため)都市銀行・地方銀行での借り入れができないことを理由にお断りされてしまいました…。
その間、私は既存のお客様や地元不動産会社へのご紹介、SNSでの多方面への情報発信等を行い、積極的に買主様を探していきました。
5. 長引く売却活動と購入希望者との協議
売却期間の経過とともに減っていくお問い合わせ。
それでも決して諦めることなく、売却活動を継続していきました。
その結果、都内の不動産投資会社の方よりお問い合わせをいただくことができ、資料を送り、詳細を打ち合わせしてきました。
協議に協議を重ね、最終的にその不動産投資会社から買付証明書(購入申込書)をいただくことができたのです。
買主法人からの金額含めた諸条件を売主様にお伝えし、打ち合わせをしました。
売主様からは「今までの問い合わせ状況や物件の特性も考慮した結果、今回の法人への売却に向けて進めたい」旨のお話をいただくことができました。
6. 売買契約、引渡し
条件面での売主様、買主様の合意が成立し、契約書類の作成にとりかかりました。
そして、契約書類を売主様、買主様双方にご確認いただき、契約日の調整を行いました。
後日、売主様のご自宅に集合し、売買契約の締結を行いました。
引渡しまでは少し時間があったため、売主様と共に買主様が引渡し準備が整う日を待ちました。
ところが、当初予定の引渡し日の直前に買主様より「諸事情により引渡し日を1週間だけ伸ばして欲しい」旨の連絡がはいりました。
すぐに売主様とも協議をし、今回は買主様のご要望を売主様が酌むかたちでお引渡し日を当初予定日から1週間延期することで合意、覚書も作成しました。
そして1週間後、今度は再度延期することもなく、約束通り、残代金の授受、鍵・所有権のお引渡しをすることができました。
途中ハプニングはあったものの、建替えができない難あり物件を5ヶ月で、かつ売主様のご希望金額以上で無事に売却できたことはとても良い経験となりました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは、「建替えができない物件の弊害」でした。
売却物件は、バス便エリアの建替えができない老朽化戸建でした。
建替えができないだけで都市銀行・地方銀行からの融資が受けられず、それだけで購入できる方が限定されてしまいます。
それに加え、建物が老朽化し、リフォーム費用が掛かってしまう場合には、その点も考慮してあげる必要があります。
それでも「諦めず」、「情報を発信し続けること」を辞めなければ、今回のように好条件の買主様をお探しすることができるのです。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!