戸建遠隔地にあるボロボロの空き家を手放したい!(静岡県焼津市)
ご相談者: | 横浜市内の不動産会社 様 横浜市瀬谷区 |
静岡県に先代の社長の時代に買ったボロボロの空き家があります。
その空き家には以前入居者がいましたが、家賃も支払わず、どこかに行ってしまいました。
室内はリフォーム工事などがされておらず、現状のままでは使用することができません。
地元不動産会社に売却のご相談をしましたが、津波想定区域にはいっているらしく「売れない」と断られてしまいました。
難しい物件だとは思いますが、御社で売却のお手伝いをしていただけないでしょうか?
よろしくお願いします!
状況
・駅からバス便エリアに立地
・周辺は平坦地
・海が近く津波浸水想定区域内
・前面道路はバス通りとなっている
・土地面積50㎡、建物面積70㎡で築年数不明
※築90年が経過・現状空家で使用不可
・隣地と建物の一部が相互に越境
・地元不動産会社からも「売れない」と
言われてしまった
解決策
1. 担当者との打ち合わせ
今回の相談者は、当社と何度もお取引きいただいている横浜市内の不動産会社様でした。
現在の代表の方は、先代の代表であるお父様が他界され、会社を相続されました。
もともと先代の代表の方が競売物件で地方の難あり物件を複数購入しており、その1つに今回の売却物件もありました。
ご相談いただいてから担当者を訪問し、面談を実施。
担当者の方が自ら売却に向けて動かれたそうですが横浜から売却のある静岡県焼津市まで遠いこと、地元不動産会社にご相談されても「売れない物件」と言われてしまい良い返事がいただけなかったことでお悩みになられていました。
そんな中、当社に売却物件の処分について白羽の矢が立ちました。
担当者の方との打ち合わせでは、かなり建物が老朽化していることをお聞きし、物件に関する書類一式をお預かりしました。
2. 現地調査の実施
担当の方との打ち合わせ後、現地調査の準備をしました。
当社のある横浜から車で約3時間と遠い現地。
現地に到着するとそこには風に吹かれて今にも飛んで行ってしまいそうな老朽化した空き家がありました…。
それに加え土地が狭く、隣地と相互に建物の構造物が越境しあっていました。(隣地の建物が売却物件の一部を占有していることも判明)
土地の境界標については、最近焼津市による測量(国土調査)がされていた関係で大部分の境界標がありました。
建物内は玄関をあけるとまず土間があり、設備は全て老朽化、使える状態ではありませんでした。
床は腐り、天井からは雨漏りがしており、柱は重さに耐えられず曲がっていました。
そして、販売用に間取りを確認し、ひと通り写真を撮影しました。
ただ、2階のベランダからは海が見ることができたのが売却物件のおすすめポイントでした。
快適に住めるようにするためのリフォーム工事には500万円前後、建物を解体するには100万円前後かかってしまいそうな状況でした。
3. 行政での物件調査
現地調査を終え、市役所などで法令上の制限の調査を行いました。
売却物件は、「漁港漁場整備法の漁港区域」に指定されており、掘削等の際には知事の許可が必要となること、今後、景観法にもとづく景観計画区域の重点地区に指定される予定ということが判明しました。
それ以外、法令上の制限の調査においては特に懸案事項はありませんでした。
4. 売主様との協議・売却活動の実施
現地調査を終え、販売価格について売主様と協議を実施しました。
販売価格は売却物件の状況を踏まえた結果、低廉な価格となりました。
そして、地元不動産会社から「売れない」と言われた物件の売却活動を開始したのです。
まず行ったこと、それは当社にご登録いただいているお客様へのご紹介。
当社には今回の売却物件のような特殊な物件を買いたいというお客様が多数登録されているからです。
続いて行ったことは、メディア、特にテレビ局に向けて情報を発信、テレビで放送してほしいと営業をかけました。
そして、情報発信をしたテレビ局のうち1社から取材の依頼をいただくことができ、後日、現地で取材・撮影をしていただきました。
テレビで売却物件を放送していただくとどんなに条件的に厳しい物件でもお問い合わせが多数いただけます。
つまり、売却できる可能性があがるのです。
それだけテレビの広告力は凄いのです。
5. テレビ放送と購入申込書の取得
テレビの取材・撮影も終え、いよいよテレビ放送というタイミングで売却活動開始後すぐにお声がけさせていただいたお客様より内覧希望をいただくことができました。
そのため、再度現地に赴き、そのお客様に室内をご見学いただきました。
内見を終えたお客様からは「テレビ放送されて、買えなくなってしまう恐れがあるのであれば、私は今、判断します。ぜい、購入させてください」というご返事とともに購入申込書をいただくことができたのです。
6. 売買契約とお引渡し
購入者が決定し、売買契約書の作成に取り掛かりました。
そして、売主様、買主様にも事前にその内容を確認いただき、後日、買主様の指定場所にて売買契約の締結、お引渡しと無事に手続きを終えることができました。
※一部のお客様からは「私の難あり不動産を売却してほしい」というご相談も何件かいただきました
なお、テレビ放送された際には当初の予定通り、条件的に厳しい物件でしたが、それでも数多くのテレビ視聴者の方よりお問い合わせをいただくことができました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは「判断しやすい環境づくり」でした。
今回の売却物件は、築90年が経過したボロボロの空き家でした。
床の腐食や雨漏りがあり、土地・建物ともに狭小物件は条件的に厳しく、地元不動産会社からも「売れない」と言われてしまった物件でした。
それでも私が売却できたのは、お客様へのご紹介とテレビでの放送のタイミングをいい塩梅にできたからです。
そもそも「売れない物件」の売却のためにメディアに営業をかけ(売れない物件の売却のためにメディアに営業をかける方はほとんどいないと思います)、取り上げてもらうということも大変なのですが、実はお客様の内見時期とテレビ放送の時期を近づける調整なども結構大変でした。
テレビの与える影響力・反響を保険とし、買主様には早期にご判断していただきやすい環境を整える、これが今回の売却物件のポイントとなりました。
テレビ局の方々含む関係者のみなさま、本当にありがとうございました!