戸建どこの不動産会社も対応してくれない2年空き家の長崎の実家を手放したい!(長崎県長崎市)
ご相談者: | M.T 様 神奈川県鎌倉市 |
2年前に両親が亡くなり、長崎にある築50年が経過し、空き家となった実家を相続しました。
相続してからはずっと空き家となっており、私も神奈川県在住のため、ほとんど現地には行っていません。
空き家の中には家具がそのまま残っており、車も入らないようなところにあるため、いくつかの不動産会社に相談しましたが、どこも対応してくれませんでした…。
このまま田舎の空き家を放置しておきたくありません。
何とかお力添えいただけないでしょうか?
状況
・駅からバス便エリアに立地
・建物は築50年が経過し、全体的に老朽化
※イノシシに玄関扉が割られ、所々に水染み(雨漏り)有り
・周辺道路が狭く、車の乗り入れができない
・室内、外部には残置物がそのまま残されている状態
※遺影も残されたままの状態
解決策
1. お客様との打ち合わせ
当初、お客様よりお電話でお問い合わせをいただきました。
お話をお聞きする限り、かなり深刻な状態のようだったため、一度ご来店いただき、面談を実施。
その時にお聞きしたことは、「両親が他界し、実家(長崎県)が空き家となり2年が経過した」、「処分を試みたが、バス便エリアにある車も入らないような物件のため、どこの不動産会社も手伝ってくれず、本当に困っている」等でした。
そこでわかったことは、今回のお客様(売主様)が本当にお困りで相談する先が当社以外にないということでした。
そのため、私のほうで売却に向けてのお手伝いさせていただくことにしました。
2. 行政での物件調査
最初の打ち合わせを終え、現地調査に向けての準備を開始。
横浜の会社でできることは事前に電話、ネット調査。
登記情報を取得したり、都市計画をヒアリングしたり、売主様からはお手持ちの資料や鍵をお預かりし、いざ長崎県長崎市の現地へ出発。
朝一番の飛行機で出発し、すぐにレンタカーを借りて、市役所などで調査開始。
すると…売却物件が建築基準法上の道路に接道していないことが判明(建物の建替えや増改築ができない再建築不可物件でした)…。
他に森林法や宅地造成規制法、景観法や都市再生特別措置法の規制を受け、さらに…土砂災害特別警戒区域内ということもわかりました。
他にも水道管が第三者所有の私設管から分岐して引込みがされている。(水道管も老朽化している)
到着日は終日役所調査に明け暮れていましたが、調査結果は踏んだり蹴ったりの状態…。
3. 現地調査の実施
現地2日目は、現地調査の実施。
初めての現地入りは、もちろん私一人。
バス通りから車が入らない路地を200mくらい歩き、そこから階段を50段くらい上ったところが現地でした。
2年間空き家で外の塀は地震の影響か傾き、倒壊寸前でした。
庭先ではウグイスが鳴いていましたが、イノシシに割られている玄関ガラスの扉を開けるのはちょっとドキドキでした。
それでも入らなければ仕事にならないため、鍵を開けて室内に。
室内は2年間空き家ということもあり、埃が溜まっており、歩くたびに埃が舞う…。
家具などがそのまま無造作に置かれた部屋は、薄暗く、空気も湿った感じでした。
玄関の隣のキッチンを確認し、さらに隣の和室に向かうとそこには遺影が残されたままでした。
このままでは売却がしづらいため、遺影については現地から比較的近くにお住まいの売主様の遠縁の方にお引受けいただくことに。
そして、境界標を探し、建物の間取りを確認。
室内、外部と写真を撮影し、売却活動の準備をしました。
ちなみに建物には水染み(雨漏り)、建付け不良、床の腐食、大きなひび割れがところどころにありました。
もちろん、私はクモの巣だらけに…。
4. お客様のご案内
売主様との面談時にかなり大変そうな物件だと認識したため、横浜にいるうちに私の方でこういった難あり物件を好んでご購入いただけそうな方に予め声がけ(ご紹介)していました。
そして、声がけさせていただいたお客様のうち1人の方がちょうど同じタイミングで現地に来ていただくことができたため、私が現地調査をひと通り終えた頃にそのお客様に現地をご確認いただきました。
5. 電光石火の難あり物件の売却
役所調査、現地調査を終え、私は横浜に戻りました。
そして、その後も現地をご見学いただいたお客様と何回かやり取りをさせていただいた後、そのお客様より今回の難あり物件をお引受けいただけるとのご返事をいただくことができました。
そのため、売主様にその旨、ご報告をし、契約に向けて準備を開始しました。
契約書を作成し、売主様、買主様それぞれに事前にご確認いただき、後日、当社で売買契約及びお引渡し手続きを行うことができました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは「リストの活用」でした。
今回の売却物件もいつもながら、車が入らず、残置物もそのまま、老朽化した建替えができない田舎の不動産でした。
ところが当社ではその情報を市場に出す前に買主様をお探しすることができたのです。
その理由は、当社は日頃から難あり物件ばかりを扱っているため、そういった不動産をお探しのお客様のご登録が多く、そのお客様にお声がけ(ご紹介)するだけで比較的早く成約に至ります。
今回は私が現地に行くタイミングで買主様も来ていただけたのでそこは買主様に感謝です。
当社では今回のように難あり物件でも当社にご登録いただいているお客様に少し声がけしたり、ブログに掲載するだけで成約することが多々あります。
売りづらい不動産は、売りづらい不動産を多数扱っている不動産会社に依頼することが解決の近道です。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
※長崎のカステラ・長崎ちゃんぽんは本当に美味しかったです!(^^)!