マンション管理を任されている相続不動産の売却を手伝ってほしい!(神奈川県平塚市)
ご相談者: | 司法書士事務所 横浜市中区 |
相続人より相続不動産の管理業務・相続登記を任されている案件について相談させてください。
その案件は被相続人が亡くなり、相続人がその不動産を相続し、管理を当社が任されているのですが、売るに売れなくて困っています。
というのも、その不動産はマンションの1部屋なのですが、ゴミ屋敷となっており、かつマンション自体にも問題があるようです。
相続人も当社もそのマンションを何とか手放せないかと画策してはみたもののどうしようもできませんでした。
御社にて売却のお手伝いをしていただけないでしょうか?
状況
・駅からバス便エリアに立地
・築40年経過した規模が小さいマンションの一室
・建築基準法で定める接道義務違反のマンション
※建替え・増改築不可のマンション
・室内には大量のゴミが何年も放置されたままとなっている
・住むためには多額のリフォーム費用がかかってしまう
・管理費、修繕積立金を滞納している状態
解決策
1. 相談者である司法書士事務所での打ち合わせ
いつもお世話になっている司法書士事務所の先生からの「ちょっと困った案件があるので会って打ち合わせをしたい」旨のご連絡をいただき、その司法書士事務所に伺いました。
聞くところによるとその司法書士事務所が相続人より管理を任されている相続不動産の処理にお困りでした。
なぜ、お困りかというと相続不動産の室内の状態が悪く、かつ、マンション的にも問題があったからです。
とにかく、その相続不動産(マンションの一室)の資料をお預かりし、後日、現地確認に行くことにしました。
2. 司法書士の先生と難あり物件の現地確認
後日、司法書士の先生と待ち合わせをし、実際にその難あり物件(マンションの一室)に。
司法書士の先生が恐る恐る玄関の鍵を開けてみると、室内には何年も放置されたゴミの山が…。
一歩進むごとに舞い上がる大量の埃、まずは玄関、窓を開けて室内を見渡す。
2Kタイプの間取りで設備はほぼ使用できない。
住めるくらいにリフォームしようものなら500万円くらいかかってしまいそうなお部屋でした。
これは確かに相続人、司法書士の先生も困ってしまうわけだ…。
3. 管理人へのヒアリングと役所調査の実施
マンションの室内を確認後、隣地に居住するマンションの管理人さんにご挨拶。
そして、管理に関する重要な事項についてヒアリング。
その結果、所有者が管理費・修繕積立金を10万円以上滞納していること、マンション全体の積立金総額では大規模修繕工事の費用が足りていない可能性があることが判明。
市役所等での調査においては、マンションが建築基準法で定める接道義務を満たしていないこと、新築時に検査済証の交付を受けていないことが判明。
これにより建替え・増改築ができないマンションとなってしまい、住宅ローン等の融資利用のできないマンションであることがわかりました。
4. 売却活動は水面化に独自のルートで
マンション全体、売却対象の一室ともに様々な面において難がある物件でしたが、そのまま何もしないままでは問題が解決できません。
特殊な事情が多い物件ということを考慮し、販売価格も抑えめにお引き受けいただける方を水面下で探していきました。
というのも、売却物件はリフォームするには500万円以上のコストがかかり、かつ住宅ローンが利用できないとなるとそれだけの費用を投下する方がなかなかいません。
それにリフォームして賃貸しようにも賃料が低く、投資不適格案件となってしまうからです。
そのため、以前より当社にご登録いただいていた「難あり物件でも安い不動産」をお探しのお客様にターゲットを絞り、ご紹介していきました。
その結果、わずか1週間足らずで売却物件の比較的近くにお住まいのお客様より残置物もそのままで、管理費等の滞納分も引き継ぐという条件の購入申込書をいただくことができました。
5. 売買契約の締結と引渡し
買主様決定後は、売買契約書等を作成し、売主様、買主様に事前にご確認いただきました。
そして、後日、司法書士事務所に集合し、売買契約の締結、お引渡し(残置物・ゴミもそのままの状態で)手続きを完了しました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは「当社独自のお客様」でした。
今回の売却物件は、様々な問題を抱えるマンションの一室(ゴミ屋敷)でした。
普通の不動産会社ではなかなか扱いづらく、かつ、買主をお探しするのが大変な物件でした。
ただ、そういった難有り物件でも当社には「難あり物件でもいいから安い不動産を探しているお客様」に多数ご登録いただいているため、情報を市場に出さずともかなり早い段階で買主様をお探しできることがあります。
つまりは、不動産会社によって得意分野があり、売却する不動産の特徴と不動産会社の得意分野が合致すると早い段階で買主をお探しすることができるのです。
そう考えると不動産会社選びって大切ですね。
関係者のみなさま、本当にありがとうございました!