戸建借地権で再建築不可物件、かつ賃貸中の物件を処分したい!(東京都文京区)
ご相談者: | S.M 様(大手生命保険会社からのご紹介) 東京都文京区 |
父が所有している借地権付建物について、地主さんより高額な更新料を
請求されております。物件は、接道に問題があり、建て替えができません。
また、父が取得した時からずっと賃貸しているため、活用方法がなく、
困っております。
御社にてお手伝いいただけないでしょうか?
状況
【所在】東京都文京区千駄木3丁目
・隣接地と建物の一部が相互に越境
・建物の経年変化及び老朽化が目立つ
・賃借人の方がいるため、活用ができない
・接道状態に問題があり、再建築不可物件と
なっている
・借地契約期間が経過しており、土地所有者より
更新料を請求されている
・権利関係が若干複雑
解決策
1. お客様との面談
ご紹介者の大手生命保険会社のご担当者同席のもと、お客様と
お会いして、面談を実施しました。
今までの土地所有者(地主の方)とのやりとりや借家人の方との
やりとり、それぞれのお人柄、お客様のご意向をヒアリングしました。
2. 物件の現地及び行政の窓口調査
お客様との面談実施後、すぐに物件の現地及び行政の窓口調査を
実施しました。
現地調査では、境界標が不明なこと、電線や建物の一部が越境して
いることが判明。
行政の窓口調査では、都市計画や建築基準法、その他の関係法令を
くまなくチェック。
ここでは、お客様がおっしゃられていた通り、行政の窓口の方からは
「接道条件に問題があり、建物の建替えができない」との見解が得られ
ました。
3. 賃借人の方との面談の実施
物件調査後、賃貸中のままでは活用ができないため、お客様に
賃借人の方をご紹介いただき、直接面談をさせていただきました。
最初の面談は、賃借人の方のご自宅(物件)にて行いました。
建物内は、老朽化が進んでおり、所々で雨漏りや床の腐食がありました。
賃借人の方のご意向は、建物の老朽化が進んでいるため、できれば
近くで同じ家賃で住み替えたいとのことでした。
ここで問題となったのは、賃借人の方がご高齢だったため、
賃貸物件があってもオーナーさんがご高齢の方に賃貸する
ということに抵抗があるようでなかなか物件が決まりません
でした。
そこで賃借人の方といろいろ協議をし、より良い方法を
模索していきました。
4. 土地所有者の管理会社の方との面談の実施
お客様が当社にご相談いただいた際には、すでに借地契約期間が
経過しており、土地所有者の方より更新料の請求がされている状態
でした。
ただ、現実的には何か有効活用をするにも借家人の方がいては
何もできません。
そのため、土地所有者の方が管理を依頼されている管理会社の
担当の方に連絡をし、お会いして面談を実施しました。
面談の目的は、現状の報告、今後の予定等についてでした。
ただ、途中の段階で土地所有者が土地の所有権を第三者に
ご売却されたため、新規土地所有者の方にも訪問し、面談を
実施しました。
新規土地所有者からは、再三、再四にわたり地代の値上げや
更新料の請求等をされました。
5. 更新料について弁護士の先生と協議
そもそも借地契約期間が過ぎたということで更新料の請求を
されておりますが、本来、支払うべきかどうかをお客様に
かわり、私が弁護士の先生と協議しました。
結論としては、借地契約書の関係で支払う必要がないという
見解がいただけました。
※本来、請求自体してはいけないという契約内容でした
6. 賃借人の退去手続き
土地所有者の方との協議を重ね、1年以上が経過した後、
賃借人の方が複数回申込みをされていた区の公団に当選され、
やっとのことで賃借人の方の退去が確定。
お引越し後に残置物がある状態でしたが、お客様のことも
考え、当社にて一部、処理の対応をさせていただきました。
7. 権利関係の調整
今回の物件は、再建築ができない借地権付建物ですが、
建物のお客様がご兄弟と共有で、借地権はお客様が単独で
所有されておりました。
そのため、お客様には、ご兄弟が所有されている建物の持分を
購入いただき、建物もお客様単独名義に変更しました。
8. 購入希望者との協議
賃借人の退去、権利関係の調整等を進めつつ、購入希望者も
お探ししました。
借地権付建物、再建築不可物件でご購入いただける方がいるか
どうか、お客様は大変ご心配をされておりましたが、最終的に
当社にて厳しい条件の物件ですが、とても良い条件を提示いただけた
お客様をお探しすることができ、契約に向けて、諸条件の調整や
協議をしました。
9. 売買契約の締結・引渡し
購入希望者との諸条件の調整、お客様への事前のご説明をし、
無事に売買契約を締結していただくことができました。
そして、ご契約の翌週末に問題なく、お引渡しを終えることが
できました。
担当者からの一言
今回の案件のポイントは、「当社による総合コンサルティング」
でした。
「建替えができない賃貸中の借地権付建物」、普通はなかなか扱いづらい
難易度の高い物件だと思いますが、当社にはノウハウがあるため、事業を
完結することができました。
諸条件により、1年半にもおよぶプロジェクト期間となりましたが、
最終的にはお客様、土地所有者様、賃借人様の皆様がWIN WInと
なることができたお取引きとなりました。
今回も全てに「ご縁」を感じた案件でした。
そして…売れない物件はありません!
関係者のみなさま、本当にありがとうございました。